平安時代から連綿と続く伝統の技 
透明感のある美しい扇面 
 本煤竹渋扇、糊地の静寂な世界です。
 
susutake noriji

 糊地(のりじ)について

扇子の扇面部分のことを地紙と言い、その地紙の原点が平安時代から連綿と続く糊地です。

今では、ほとんど目に触れることが出来ない糊地を元に、本煤竹渋扇を制作いたしました。




平安時代に我が国で形作られた桧扇と紙扇は、平安時代後期の物が現存します。

紙扇は、西本願寺本三十六人集中の料紙残欠や、厳島神社、大阪四天王寺蔵等があり、紙扇の料紙は全て

糊地になります。

一枚の紙を折り畳むので、丈夫にする必要があり、雲母(きら)を糊に混ぜて両面に塗ったと思われます。

現在、地紙に使用されている合わせ紙は、芯紙の両面に皮紙を貼り三枚、五枚など奇数数に仕上げられるが、

これは明治時代中期以降のものであります
(折り上がった地紙に扇骨(扇子の竹組)の中骨を差し込みます)

糊地は、帛(ふくさ 糊地用に漉いた和紙)の両面に、沈糊(じんのり・グルテン)と雲母を混ぜたものを塗り、乾燥

させたものです。

質感は堅く、表面は滑らかで、透明感のある美しい光沢を持つ地紙です。

これに箔を押せば、箔の輝きは一層増すことが解ります。

一枚の和紙で出来た地紙は綺麗に二枚に割れ、隙間に中骨を差し込むことができる日本の扇の特筆すべき

繊細な技術の一つであります。

しかし、石の粉を塗ってありますから、外国製や、パルプが混入された紙で糊地を作ると、張力が弱く引っ張れば

容易に破れます。

故に、上質な純正 漉和紙でなければならないのです。
越前紙美濃紙土佐紙を使用

全国の和紙が使用できるが、三椏雁皮等の微細な皮(チリ)を徹底して除去してある美しい紙を用いなければ、

扇の地紙として適用しません。

和紙は各産地により、水の硬軟、原料の特徴があり、地紙もそれぞれの風合いのある仕上がりとなります。



                                     本煤竹扇子に使用した糊地

   透かし糊地・かすかに木の葉模様が見えます  



 
 糊地の制作行程





【用紙】は各種の扇子に合わせた厚さや紙質の帛(雁皮、三椏、の生漉紙)を用います。

●【
用紙の産地】は
越前紙、美濃紙、土佐紙等を使用しますが、弊店ではより最善の扇子を求めて 美濃和紙を使用しています。

糊】は
沈糊(じんのり)を煮て、雲母を混ぜた糊を刷毛で平均に塗り、乾燥と塗付を、両面2度づつ繰り返します。

【乾燥】は縁糊をして板張りし、乾燥させた後、ロールを掛け、表面を滑らかにします。

【乾燥】各種の扇面型に裁断し、扇面紙や型地とします。





 本煤竹扇子、糊地




糊地は、優しい光沢と透明感があり、美術工芸品としても最適の素材です。

しかし限られた漉紙を使って、糊地を制作する高度な技を持つ職人も京都で只一人のみとなり、糊地をもとに加工出来る職人もごく僅かになりました。

地紙の価格も大変高価なものとなり、現在では特別な品物のみに使われています。

また雲母の粉を混ぜていることにより、地紙に硬度があり、そのことにより扇子の開閉が通常の地紙より遙かにカッチリとした動作を楽しめます。

今まで伝承されてきた素晴らしい素材の糊地を元に、墨流しで染め上げた本煤竹扇子糊地、墨流しを、いつまで製作販売できるか解りませんが

僅かではございますが完成と共に ご紹介させていただきます。

また、今後制作される糊地扇子は糊地の透明感をお楽しみ頂くため、片面は墨流しを、そして片面は糊地の無地に仕上げています。

平安時代から続く、京扇子の雅な風合いを 是非、お楽しみくださいませ。



手漉き和紙も原料になるコウゾを生産している農家が激減し、制作を続けて行くのが大変な状況になっていますし

美濃和紙を使い糊地の地紙を作れる職人も京都に一人・・地紙が完成しても、糊地を綺麗に扇子に仕上げることの出来る職人も

ほんとうに僅かという状態です。

弊店の渋扇共々、残念ながら制作を続けて行くのが、ほんとうに困難な時代になりました。


*天然素材の糊を使用していますので、虫食いなどの可能性がございます。

*使用されないときは扇子に付属している箱に入れて保存してください。

*使用されないときは扇子に付属してる紙製の帯で扇子の先端を止めて保存してください。




 
糊地に墨流しが完成したところです。

格調高い糊地に墨流し文様・・・春夏秋冬、渋扇三昧

煤竹渋扇八寸五分(約25,5cm) 一尺(約30cm)糊地・墨流し製作中




煤竹も糊地も僅かずつしかできませんが、完成次第ご案内させていただきます。



透かし糊地一尺二寸



煤竹渋扇八寸五分(約25.5cm)糊地・墨流し

全て完売しました。 

全ての色柄は1本づつ違い、同じ色柄はございません。
 
 
 
 
春夏秋冬・・渋扇三昧
 
                         
   
   
   
     
       
墨流し&渋引き紺地   
 
 
 
 
     

春夏秋冬、渋扇三昧